■法律基礎知識
海南島裁判の流れに沿いながら、法律の基礎知識をチェックしてみましょう。
国家賠償訴訟とは−−民事裁判と刑事裁判の違いをふまえて
海南島裁判は、日本政府に対して戦後、被害者に対して補償を行わなかったことに対する謝罪と賠償を求めて提訴されました。
日本の裁判を大きく分けると、民事裁判と刑事裁判に分けることができます。簡単に言うと、民事裁判とは、AとBとの間に、どんな権利や義務の関係があるのかを決める裁判です。刑事裁判とは、Cが罪を犯したのかどうか? もし罪を犯したのなら,どのように処罰するのか? を判断する裁判です。
国家賠償訴訟は、国・公共団体を相手とする民事訴訟の一類型と見るのが一般的です。
日本の国内法では、国家の刑事責任を問うことはできません。しかし、国家が行った不法行為によってこうむった損害について、国家賠償法という法律が1947年に定められており、民事裁判で賠償を請求することができます。
民事裁判の流れ
民事裁判では、訴える人を原告、訴えられる人を被告といいます。原告は請求の趣旨(原告がその請求で求める最終的な結果)と請求の原因(詳しい事実関係とそれに対応する証拠)を記載した訴状を裁判所に提出することにより、訴訟が開始します。
訴状が受理されると、裁判所は、口頭弁論の期日を決めます。第1回の口頭弁論では、原告側の訴状の陳述とその内容に対する被告側の答弁書の陳述が行われます。そこで双方に争いのない事実については、そのまま確定し、争いのある事実について証拠調べを行う争点整理が行われます。
証拠調べには、いくつかの方法があります。書証は文書の記載内容を証拠とする証拠調べです。文書は容易に改変できないので、信頼性の高い有力な証拠方法です。
また、実際上、最も重要な証拠調べの方法は証人尋問と当事者尋問です。証人尋問は事実について第3者の証言を求める方法で、当事者尋問は事実について、当事者本人の陳述を求める方法です。特に、不法行為訴訟では、書証の存在が期待できないことが多いので、証人尋問等の重要性が極めて高いのです。これらはまず、尋問を申し立てた側の当事者が尋問(主尋問)し、次に相手方当事者が尋問(反対尋問)し、最後に裁判官が尋問(補充尋問)します。
証拠調べがなされると、最終口頭弁論が行われ、裁判官が判決を行います。第1審の終局判決に不服のある当事者は、1審が簡易裁判所だった場合は地方裁判所へ、地方裁判所だった場合は高等裁判所へ控訴することができます。控訴審は1審の審理を継続する形をとり、追加の証拠調べも行われます。
控訴審判決に不服のある当事者は、さらに上告することができます。上告審が最高裁判所の場合は、上告受理制度があり、訴えが判例違反などでない限り、上告を受理しないという扱いをすることができます。
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